家庭用 3D プリンタの現時点での定番と言える、Bambu Lab A1 と AnkerMake M5、その類似機種を比較する。
主な観点
3D プリンタを選ぶときの観点としては、以下のような点が挙げられる。
造形できるサイズ
機種により、プリントできるものの大きさに違いがある。当然ながら大きいものが造形できるほど制作の幅が広がるが、プリンタ自体のサイズも大きくなる。
対応フィラメント (材料) の種類
フィラメントとは造形に使用される糸状の材料で、機種により使用できる素材が異なる。素材によって造形のしやすさや強度、耐熱性などに違いがあり、以下の素材がよく使用される。
素材名 | 強度 | 熱耐性 | その他 |
PLA | 低い | 約50℃ | 後加工しづらい |
ABS | 曲げや伸びに強い | 約80℃ | 印刷中の臭いが強い 印刷中に反りやすい |
PETG | 衝撃に強い | 約70℃ |
エンクロージャ有無
エンクロージャとは、3D プリンタ本体を囲むカバーのことで、プリント時の温度や湿度などを安定させる効果がある。ABS などの高温でプリントする必要があるフィラメントを使用する際に、特に重要となる。
マルチカラー対応有無
機種によっては、複数色のフィラメントをセットして同時に使用することができる。
キャリブレーション機能
機種によっては、プリント時にノズルの高さなどを自動補正する機能があり、これにより造形品質を高めることができる。
比較表
機種名 | M5 | M5C | A1 | A1 mini | P1S |
メーカー | AnkerMake | AnkerMake | Bambu Lab | Bambu Lab | Bambu Lab |
販売価格 | 99,990 円 | 69,990 円 | 70,800 円 | 52,800 円 | 159,000 円 |
造形サイズ | 235 x 235 x 250 mm3 | 220 x 220 x 250 mm3 | 256 x 256 x 256 mm3 | 180 x 180 x 180 mm3 | 256 x 256 x 256 mm3 |
主な対応フィラメント | PLA, PETG, ABS *1 (PLA-CF, PETG-CF, PA, PA-CF) | PLA, PETG, ABS *1 (PLA-CF, PETG-CF, PA, PA-CF) | PLA, PETG, TPU, PVA | PLA, PETG, TPU, PVA | PLA, PETG, TPU, PVA, PET, ABS, ASA |
マルチカラー | 非対応 | 非対応 | 4色 *2 | 4色 *2 | 16色 *3 |
エンクロージャ | なし | なし | なし | なし | あり |
本体重量 | 12.6 kg | 9.6 kg | 8.3 kg | 5.5 kg | 12.95 kg |
発売日 | 2023/3/7 | 2023/10/11 | 2024/1 | 2024/1 | 2023/8/24 |
備考 | M5 の廉価版 | A1 の小型版 |
*1 ABS などの実用的なプリントにはパーツ (ホットエンド) の交換が必要と思われる。
*2 マルチカラープリントには追加パーツ (AMS Lite) が必要。
*3 マルチカラープリントには追加パーツ (AMS、1台あたり4色) が必要。
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