複数の PC 間やスマートフォンとのファイル共有には DropBox や Yahoo! ボックスを使っている。ただ、DropBox は無料版だと容量が少なかったり、Yahoo! ボックスは Mac 用のクライアントがなかったりして、いろいろと微妙だった。
そこで、いっそのこと自分のサーバをストレージにしてしまおう、ということで、自前で DropBox のようなクラウドストレージを構築できるオープンソース「ownCloud」を VPS にインストールしてみた。
インストール手順
今回は CentOS 5.8 (64bit) に入れたが、たぶん他でもだいたい同じような手順でインストールできると思う。
まず、CentOS 用の yum レポジトリの設定ファイルをもらってくる。
# cd /etc/yum.repos.d/
# wget -O ownCloud2012.repo http://download.opensuse.org/repositories/isv:ownCloud:ownCloud2012/CentOS_CentOS-6/isv:ownCloud:ownCloud2012.repo
yum で ownCloud とそれに必要なパッケージ群をインストールする。
# yum -y install php-pear-MDB2-Driver-mysqli php-pear-MDB2-Driver-mysqli
# yum -y install owncloud
バーチャルホストや SSL でもアクセスできるように、ディレクトリや設定ファイルを変更する。
# cd /var/www/html/
# mv owncloud/ ..
# vi /etc/httpd/conf.d/owncloud.conf
alias /owncloud /var/www/owncloud
<Location /owncloud>
AllowOverride All
# SSLRequireSSL # https のみに制限する場合、コメントアウトを外す
</Location>
Apache をリロードする。
# /etc/init.d/httpd reload
MySQL でデータベースとユーザを作成する。
# mysql -u root -p
> create database owncloud;
> grant all privileges on owncloud.* to 'owncloud'@'localhost' identified by '<パスワード>' with grant option;
以下の URL にアクセスし、初期設定を完了する。
http://<設置したサーバ>/owncloud/
以上でサーバ側の準備ができた。
クライアントの設定
次にクライアント側の設定を行う。専用のアプリケーションを Sync Clients からダウンロードしてきてインストールする。
以下、Mac の場合の手順を紹介する。
インストールが完了したらアプリケーションを起動し、メニューバーのアイコンをクリックして、「Configure…」からサーバの URL を設定する。
これで、
/Users/<ユーザ名>/ownCloud/
フォルダがサーバと同期されるようになる。
ただし、デフォルトではサーバに clientsync というフォルダが作られて同期され、クライアントからサーバの一番うえのフォルダにアクセスできない。これだと使いづらいので、「Open status…」から一旦デフォルトのパスを [Remove…] して、[Add sync…] で Remote path を空にしたものを設定しなおした。
ついでに iPhone アプリ (有料) もインストールしてみた。
所感
手始めに 12GB 程度の写真ファイルを同期してみた。回線速度に依るだろうが、やはり同期にはかなり (1日以上) 時間かかる。サーバをローカルに置けばもっと早くなりそうだ。
また、各ファイルがサーバと同期できているのかどうかよくわからない。ログを眺めるために「Open status…」の [open Log Window…] を開くと、なぜかよくフリーズする。
それから、Yahoo!ボックスにあるような「領域の節約」機能 (使用頻度が低いファイルはローカルから削除する機能) がないので、例えばサーバに計 100GB のファイルを置いた場合、すべてのクライアント PC で 100GB の容量が必要になる。
iPhone アプリの感想としては、アルバム代わりに使うのは厳しいように感じた。写真をプレビューできないので、中身を確認するのに毎回ダウンロードしなければならないからだ。
以上、全体的に使い勝手がいまいちではあるが、プライベートのクラウドストレージを構築するという目的は十分達成できる。サーバと各クライアント PC の容量が許す限り、好きなだけファイルを放り込めるようになった。しばらく使ってみて様子をみようと思う。
参考ページ
- 第231回 ownCloudで自分専用クラウドストレージ – Ubuntu Weekly Recipe
コメント
[…] VPS + ownCloud でクラウドストレージを構築する : あかぎメモ […]
[…] ■参考サイト https://onair.jp/archives/2619.html […]
[…] ルさせて オレオレDropbox的な感じにしてみた。 ■インストール VPS + ownCloud でクラウドストレージを構築する | あかぎメモ インストール自体は上に書かれているように進めていけばCentOS […]