我が家はケーブルテレビを引いており,計 5 台のテレビで受信している。また,それとは別に BS/CS アンテナを立てて1 台のテレビに直接接続し,衛星放送 (BS とスカパー! e2) を視聴している。
最近,全テレビのデジタル化が完了したので,これを機にどのテレビでも衛星放送を (ケーブルテレビの STB なしで) 視聴できるように,衛星アンテナの配線を変更することにした。
現状
まず,施工前の構成を調べたところ,次のような機器が使用されていた。
- BS/CS アンテナ
- CATV 保安器
- CATV 用ブースタ・電源
- 4 分配器 (BS/CS 対応)
- 3 分配器 (BS/CS 対応)
設計
衛星アンテナを全テレビに接続するには,次のような方法が考えられる。
- 衛星用の配線を別に設ける
- 地上波用の配線を使用する
今回は,手間が少なそうな 2. の方法を採用することにした。それにあたり調査したところ,”混合器” という機器で CATV の信号と衛星放送の信号をミックスできることがわかった。
また,衛星アンテナは,使用時にアンテナケーブルを介して給電する必要があることがわかった。これには,次のような方法が考えられる。
- 各テレビから視聴時のみ給電する
- 1台のテレビから常時給電する
- 給電用の機器から常時給電する
1. が消費電力が比較的少なそうだが,分配器を”全通電型”に交換しなければならないので,選択肢から除外することにした。
さらに,我が家は分岐数が多く総線路長も長いため,ブースタ (信号増幅器) が必要になる。現在は CATV 用のものなので,これを衛星放送対応のものに交換しなければならない。
以上の要件を満たす構成を検討していたところ,”CATV/BS/CS 混合ブースタ” という便利な機器を発見したので,これを採用することにした。
また,配線に使用するケーブルについても調べたところ,たくさんの種類があることがわかった。屋外配線では ”S-5C-FB”,壁からテレビまでは ”S-4C-FB” というケーブルが必要十分のようなので,S-5C-FB ケーブルを 100m 購入した。価格は 4,000 円程度だった。
併せて、F 型”のコネクタ (接栓) を注文した。10 個でおよそ 1,000 円だった。
施工後
最終的に,下図のような配線が完成した。
ただし,これだけでは衛星放送を受信することはできない。テレビのアンテナの差込口が,地上波と衛星放送で別々だからである。今回は 1 本のケーブルに地上波と衛星波を混合したので,その都度ケーブルを差し替えれば両方視聴できるが,それは現実的でないので,各テレビとアンテナの間に “分波器” をかました。これは 1 個 1,500 円程度で売られている。分配器が余っていればそれで代用することもできる (ただし信号が弱くなる)。
以上で,すべてのテレビで衛星放送を無事受信できるようになった。めでたしめでたし。
費用
今回の施工にあたり,調達した物品は下記のとおりである。
- 同軸ケーブル S-5C-FB (100m) …… 3,885 円
- CATV/CS混合ブースタ 7BCB28 …… 9,498 円
- アンテナ接栓 5C F型接栓 (10個) …… 1,230 円
- 地デジ/CS分波器 CSR7D-P × 2 …… 3,030 円
合計 17,643 円
参考ページ
- CATV/BS/110°CS混合完了 – Xylocopal’s Photolog
- 同軸ケーブルとF型コネクター – Asahi Satellite Page
- ボクにもわかる地上デジタル – 地デジ設計編 – 同軸ケーブル
コメント
大変参考になりました。ありがとうございました。
4K左旋対応と同時にこのサイトを参考に自分で施工させていただきました。ありがとうございました。
長年BSの配線を混合させたいと思っていてて、4分配のわが家に大変参考になりました。この機会にケーブルもS-5C FBに交換して問題なく施工出来ました。
ありがとうございました。